女性が輝く
T O K Y O 懇話会
~運輸業編~

集合写真

(写真左より)

小田急電鉄株式会社/

益田 理美さん

株式会社JALエンジニアリング/

■甲斐 瑠美さん

(モデレーター)ジャーナリスト・昭和女子大学研究員/

治部 れんげさん

東京都知事/

小池 百合子

京浜急行バス株式会社/

山﨑 美香 さん

東京港運送株式会社/

齋藤 里奈さん

■小池知事

皆さんこんにちは。本日は女性が輝くTOKYO懇話会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。経済活動の動脈部分を支えている運輸業界も女性の参画が少ない分野です。その中で働いている皆さんが何を考えてこの分野を選んだのか、また、実際に働いて直面している課題等を伺い、女性が輝く東京であり続けるために何が必要なのかを共に考えたいと思います。

◆ゲストプレゼンテーション

■益田

私は2010年4月に新卒で入社し、現在9年目になります。就職活動は、さまざまな事業で沿線住民の生活を豊かにできる点に魅力を感じ、鉄道会社を中心に行いました。入社後は駅係員、車掌、運転士を経験後、本社の運転車両部でダイヤ改正を担当しました。2018年7月から現職に就いています。

乗務員の仕事の魅力は、お客さまを安全・安心・快適に目的地までお届けして日常を支えるという誇らしい仕事であることです。また、お客さまの生命や財産をお預かりする重責を担いながら定時に終着駅まで到着させることが大きなやりがいとなっています。

益田 理美さん

◆入職のきっかけ、仕事の魅力など

■甲斐

高校3年生の夏に福岡空港の管制塔に上る機会があり、大きな航空機が離発着する姿に衝撃を受けて、半年後には千葉の航空機整備科に入学していました。

航空業界で働く魅力は、公共性の高い移動手段としてだけではなく旅のお手伝いをしているという側面が大きく、空を飛ぶという非日常を提供できることです。

女性が活躍しやすい職場環境をつくっていくため、女性同士のミーティングを開催して意見を収集し、会社と共有しています。また、弊社ではライフステージで必要な手続き等を解説した「出産・育児とキャリアの両立支援ガイド」を作成しています。3人の子供がいる私もこれを参考にしてきました。

働く上で困ったこととしては、私は東京在住ではないのですが、復職にあたって子供が保育園に入れるかという不安がありました。

■治部

都内でも働く母親がとても増えていますが、都の待機児童対策について知事にお聞きします。

■小池知事

東京都は人口が多いこともあり待機児童も非常に多く、私がこの2年間で最も力を入れてきた課題のひとつです。

これまで、保育士の増員、報酬面のサポート、都立公園等の施設への保育施設建設等の対策を取ってきました。都は、2019年度末までの待機児童の解消と6万人分の保育サービス利用児童の増加を目指しており、着々と進めています。

今年度は予算を1,576億円を確保して取り組んでいます。私が就任する前年と比較すると約600億円増となります。いろいろな業界で女性がいきいきと働き、かつ、子育てもしっかりできる体制をとっていきたいと考えています。

齋藤 里奈さん

■齋藤

18歳のときに自動車免許を取得し、車の運転が好きになったのがこの仕事についた最初のきっかけです。ドライブ中に見かける大型トラックに惹かれて中型免許を取得し、運送会社に入社しました。現在は4トントラックで食品の配送業務を行っています。

この仕事の魅力は、一生懸命積み込みをした商品がコンビニやスーパーを経てお客さまの手に行き渡ることです。また、ライフラインである物流の一端を担う者として、誇りを感じています。

入社当初はマニュアル車の操作とトラックの大きさに慣れるまで苦労しました。AT車が主流を占める中、マニュアル免許を取得する女性は少数派です。免許支援制度の充実やAT仕様のトラック普及など、業界全体での体制の整備が必要だと思います。

山﨑 美香 さん

■山﨑

車の運転好きが高じて、今の会社にバスガイドとして入社しました。女性が運転手になるなど考えられない20年以上も前のことです。その後、運転手としてテーマパークのアトラクションバスやホテル間のシャトルバスの乗務を経験しました。

2020年のオリンピックを機に日本の玄関口である羽田空港のリムジンバス運転手を女性にしようという弊社の取組がきっかけで現職につきました。女性専用の完全個室のベッドや休憩室、シャワー室等を整備し、女性ドライバーの増加を図るというプロジェクトです。

仕事の大きな魅力は、お客さまと毎日コミュニケーションがとれることです。女性のリムジンバスの運転手はまだ珍しいので、アナウンスがさわやかですねとか、運転が丁寧でよかった等の言葉をいただくとうれしいですね。

甲斐 瑠美さん

◆ライフ・ワーク・バランス

■治部

続きまして皆さんにライフ・ワーク・バランスについてお聞きします。東京都ではライフ・ワーク・バランスと、ライフを先に言うようにしていますね。

■小池知事

ワークの前にライフ、人生ということで、ひっくり返しています。

■甲斐

朝はだいたい4時に起床して、洗濯や掃除などを済ませます。6時に家族を起こして朝食と出かける準備をし、7時に出勤します。途中保育園に寄って職場に8時に到着します。ほぼデスクワークですが、ヘルメット姿で現場に出向くこともよくあります。業務終了が18時、19時に帰宅、21時30分頃に子供が就寝してからが自由時間となります。

■齋藤

朝9時に起床し朝食と出勤準備、9時45分に家を出ます。10時45分に会社に到着、トラックで共同配送センターへ向かいます。荷物を積み込んで大田区のセンターまで配送し、一旦戻ります。その後近隣への配送、給油や空箱回収、終業点呼等を済ませると21時頃です。22時に帰宅し、2時に就寝しています。

■益田

私は2パターンをご紹介します。まず本社勤務では、7時に起床して8時に出勤、会社到着が9時頃です。9時半から17時45分までの就業時間内は、本社または沿線各地の事業所での会議のほか、連絡調整や資料作成等のデスクワークを行っています。終業後は買い物をして19時帰宅、就寝は24時です。

乗務員時代のスケジュールについては、担当行路によって何百パターンとある中の一例をご紹介します。7時半に起床、10時に新宿へ出社、アルコールチェック、点呼等を行い、新宿―箱根湯本間を特急で往復、休憩を取って、新宿―百合ヶ丘間を担当します。21時半に新宿に戻って宿泊所に泊まり、翌日の始発に備えます。3時半起床、4時16分宿舎出発、電車の点検を済ませて5時に乗務開始です。新宿から相模大野まで乗務し、新宿に戻って終了となります。

■山﨑

私も一例ですが、5時30分に起床、準備を済ませて出社します。アルコールチェック等の乗車準備をして7時15分から11時15分まで羽田―横浜間に乗務します。休憩後12時から14時30分まで羽田―都心間に乗務、14時30分から17時30分まで休憩です。このように長い休憩がある時は女性専用の休憩室で仮眠をとることもあります。17時30分から20時30分まで羽田―大井町間に乗務し、給油、洗車等を済ませて業務終了です。帰宅後は食事、入浴等の後、23時30分頃に就寝します。

◆メッセージ

■治部

最後に、これから就職やキャリアを考える女性へのメッセージをお願いします。

■甲斐

航空機整備は男性の職業というイメージが強いと思いますが、やってみたいという気持ちさえあればそれが原動力となります。狭い場所での細かい女性向きの作業も多々あります。女性整備士が少数派ではなくなるよう、たくさんの方と一緒に働きたいと思っております。

■齋藤

この業界は圧倒的に男性の割合が高いのですが、女性の丁寧さと細やかさは、ものを安全に確実に届けるという業務にとても向いています。どんどん女性に進出していただき、少しでも華やかな業界になっていくことを願っています。

■益田

女性は各自の描いているライフプランが男性以上に多様です。女性が増えていくことによってそのような事例が増えて周囲の理解も深まり、女性が働きやすい職場へと変化していきます。そのような業界の変化を期待しています。

知事にひとつお伺いします。私は来週から新しい職務に就くのですが、女性初という冠がついてプレッシャーを感じることもあります。女性初の都知事として気を付けていること、アドバイスなどがあればお願いします。

■小池知事

女性でも男性でも仕事は基本的に同じですから、肩肘張らずにやるべきことをしていけばいいと思います。もし失敗することがあっても、その経験を後輩に伝えることで女性がさらに前進できますので、頑張ってください。

■山﨑

最初はみなさん不安だと思いますが、少しずつ女性が働きやすい環境が整いつつありますので、運輸業に興味のある人がいたら是非チャレンジしてほしいです。そして、女性運転手が今後ますます増えていくことを期待しています。

■治部

ありがとうございます。最後に知事からご挨拶をお願いします。

■小池知事

タイムスケジュールを紹介していただくことによって、みなさまの苦労を読み取ることができました。これからも社会の大動脈を動かしているというプライドを持ってやっていただきたいと思います。

こんなに複雑な交通体系でありながら1分違えずに動いているというのは、日本の宝、奇跡です。それを担っているみなさまが語ってくださったメッセージが次の女性の方々へ届くよう、工夫をしていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。