少子高齢化の急速な進展、生産年齢人口の減少など、様々な課題に直面している現代において、「IoT」や「AI」などの情報通信技術は、課題に挑戦し、克服するための鍵となり、持続可能な成長の実現に不可欠です。
情報通信業はまだまだ女性の参画が少ない業界ですが、女性の参画が進むことによって、これまでなかった視点が加わり、情報通信技術のさらなる発展が期待できます。今後、女性のさらなる活躍が期待される情報通信業界の現状をデータから見ていきます。
国や地方自治体、企業などにより、様々な分野における女性の活躍を進めれられていますが、依然として産業による隔たりがあります。東京都における産業別女性比率を見ると、「情報通信業」は29.1%と、「建設業(17.3%)」、「運輸業、郵便業(21%)」に次いで3番目に低く、男性の比率が高い状況です。
しかし、それだけ伸びしろが大きい産業であるとも言えます。
情報通信業にも様々の業種がありますが、特に情報サービス業の女性比率が低いことが分かります。
情報サービス業には、ソフトウェア業や情報処理・提供サービス業などが分類されており、情報通信業界の中で最も就業者数が多い業種です。情報サービス業においてさらに女性が活躍することで、サービスの向上や情報技術の更なる発展が期待されています。
情報サービス業の女性比率が低い数値を示しているのは、専門的・技術的職業従事者に女性が少ないことが要因ですが、その数は年々増加傾向にあり、15年間で約2倍に増えています。
経済成長を支えている情報通信業界においても、人材が不足していることがわかります。IT業界の人材の不足感は平成21年度に減少したものの、平成23年度以降増加傾向にあり、平成29年度には「大幅に不足している」「やや不足している」を合わせると9割以上の企業が人材不足と回答しています。特に、過去10年で「大幅に不足している」という回答の割合が高く、性別に関わらず多くの人材が求められています。
大学の学科別女子学生比率を見ると、理学、工学といった理系分野の女子学生が少ないことが分かります。情報通信業界には文系の学部を卒業した学生も多く入職していますが、女性技術者をさらに増やすためには、女子学生・生徒の理工系分野の選択を促進する必要があります。
情報通信業はテレワークの導入率がもっとも高く、業界の3割以上の企業で導入していることがわかります。そのため情報通信業は、就労場所にとらわれない仕事が他の業界よりも多く、働き方の自由度が高いため、女性が働きやすい業界であると言えます。
多くの女性が活躍することで、さらなる職場環境の整備や情報通信技術の発展、サービスの向上が期待されています。